【未明の砦】(12) 太田愛・作 藤岡詩織・画

◆序章 (十二)

 ホテルの高層階にあるこのバーで、中津川と向き合うのはもう何度目だろうか。板垣は久しく健やかな眠りに恵まれない頭でぼんやりと考えた。

 卓にはいつもと寸分違わぬ位置に並べられ ・・・

【残り 829文字、写真 1 枚】



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