「いのちの時間」<第1章> 作・相羽亜季実 第63回千葉文学賞受賞作品

 小舟駅で下車し、改札を出たら右へ折れて少し歩くと、飲み屋街が軒を連ねる路地へ差し掛かる。

 そのまま路地を通り過ぎ、橋を渡っていくと、遠くに山の峰が連なっているのが見える。十字路を過ぎた左手に、紺色ののれんがかかっている小さな店があった。舟よし食堂と書かれている。

 会社帰りのサラリーマンたちは駅に近い飲み屋街を利用する場 ・・・

【残り 1444文字、写真 1 枚】



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