千葉県議の海外視察事業、人数が集まらず中止 再開後で初の事態

千葉県庁
千葉県庁

 今秋に計画されていた千葉県議の海外派遣が中止になった。複数の関係者が5日、明らかにした。県議会(定数95-欠員4)の有志でカナダを視察するため5月から募集していたが、希望者が最少催行人数の5人に達しなかった。過去には2020~22年に新型コロナ禍の影響で見送ったが、人数不足を理由とするのは異例とみられる。

 中止した海外視察は最大会派の自民党(所属50人)が5月21日の各会派代表者会議で提案。10月に7日間ほどの日程で派遣するため今月3日まで参加者の募集があったが、自民の3人しか集まらなかったという。

 県議会事務局によると、海外派遣は「県の国際的な課題に適切な助言を行うために」(担当者)中断期間を経て13年度に再開。趣旨や規模・日数を定めた「取り扱い要領」(11年施行)などに基づき視察を重ね、23年度に台湾・ベトナム、昨年度にドイツ・オランダを訪問している。

 ただ、海外派遣を巡っては高額な費用などを問題視する声もあり、視察費用の返還を求めて訴訟を続けてきた1人会派の西尾憲一県議は5日、記者会見で「中止は一歩も二歩も前進。復活しないようにしたい」と訴え。「カナダはこれまでと異なり県との関係性が薄く、意義も見いだしにくい」と派遣先の選定を疑問視する声も広がる。


  • Xでポストする
  • LINEで送る