2025年5月26日 05:00 | 無料公開

読経が流れる中焼香し手を合わせる参列者=25日、市原市の龍善院

思い出が詰まった人形との別れを惜しむ参列者=25日、市原市の龍善院
慣れ親しんだ人形を供養する「いちはら人形感謝祭」が25日、市原市五井の龍善院(藤田雅宥住職)で開かれ、参列者がそれぞれに「ありがとう」と別れを告げた。
市内の人形専門店関係者らでつくる団体が、地域住民の人形供養の場を求める声に応え2003年に初めて開催。コロナ下を除き毎年開かれ、ことしで21回を数える。
こいのぼりやひな人形、五月人形、ぬいぐるみなどが感謝祭までに各店へ寄せられるほか、参列者が当日持参。ことしは例年より多い約5千体に上り、境内の供養碑前に並べられた。
本堂での法要に先立ち、節句人形専門店「人形の鯉徳」(同市姉崎)の加藤秀徳代表取締役が「人形は人の心を落ち着かせ、子の成長を祈り、手放す際には家族の絆となって思い出を呼び戻してくれる。きょうは思い出を振り返りながら見送ってください」と呼びかけ。約30人の参列者は読経の流れる中、次々に焼香し、手を合わせた。
家族4人で参列した同市海保の元吉夏代さん(43)は小学4年の長女、美晴さん(10)のぬいぐるみ約20体を供え「お下がりなどでいただいたもので、娘が生まれてからずっと成長を見守ってくれた。ありがとう-と感謝の気持ちでいっぱいです」と感慨深げに話した。