2025年5月23日 05:00 | 無料公開

迅速な初期消火と被害拡大防止で感謝状を贈呈された(前列左から)佐久間敏夫さん、宮崎直巳さん、宮崎洋史さん、吉田修秋さん=君津市
君津市消防本部は、市内で発生した火災で初期消火に当たった近隣住民の4人に感謝状を贈った。ぞれぞれ元消防署員や元消防隊員として活躍したことがあり、「何も知らなければ動けなかった。経験が生きた」などと被害の拡大防止を喜んだ。
表彰されたのは、同市消防署松丘分署長を最後に退職した佐久間敏夫さん(72)と、いずれも消防団経験者の宮崎直巳さん(68)、宮崎洋史さん(63)、吉田修秋さん(54)の4人。
同本部などによると、2月9日夕、同市戸崎の作業用ビニールハウスから出火した。4人は「バン、バン」という音や火柱で火災に気づき、現場に駆け付けると近くの格納庫から取り出したホース4本をつないで消火栓から放水を続けた。火は消防車が到着した午後6時7分にはほぼ鎮圧状態になった。
最前線でホースの筒先を持って放水した佐久間さんは「退職して10年以上過ぎ、ホースを伸ばしたのも退職後初めての経験だったが、自然に体が動いた。延焼を防ぎながら対処し、鎮圧した」と振り返った。
他の3人も放水を補助するなど役割を分担。「実際に火災での消火は初めてだったが、やり方は熟知していたのでスムーズにできた。自然と体が動いた」「乾燥して前後の日は風が強かったが、ちょうど無風だった。風があったら隣の建物に延焼していた」「4人で協力して早く消せたのでよかった」などと話した。
田村和弘消防長は「被害を最小限に抑えることができたのは、知識と経験に裏打ちされた迅速かつ的確な活動によるもの」と4人の貢献をたたえた。