船橋で母妹人質立てこもり 一部小学校で集団下校 近隣住民、緊迫の7時間

容疑者が確保された現場アパート=20日午後1時半ごろ、船橋市夏見台
容疑者が確保された現場アパート=20日午後1時半ごろ、船橋市夏見台
現場アパートの外観=20日午後4時ごろ
現場アパートの外観=20日午後4時ごろ

 20日、船橋市夏見台6のアパート一室で、住人の男が刃物を持ち、母(59)と妹(27)の2人を人質に立てこもる事件が発生した。県警は事件の通報から7時間近くたった同日午後、監禁の疑いで、この男で無職の和田敢士容疑者(32)を現行犯逮捕した。人質を含め、けが人はいなかった。県警によると「間違いありません」と容疑を認め「きのう、リビングで音楽を聴いていたことを母に注意され、怒りを覚えたので家族全員を殺そうと思い、立てこもりました」と供述している。

 逮捕容疑は20日、自宅で母と妹を監禁した疑い。

 県警によると、同日午前6時40分ごろ「(容疑者が)包丁を持って立てこもっている」と容疑者の兄が110番通報。容疑者は7時間近くにわたり、刃物を持ち、母と妹を人質に取った。容疑者はこの部屋で母、妹、兄と4人暮らしだった。

 容疑者は当初「警察が立ち去らないと(家族を)殺すぞ」と話し、県警が電話で説得を続けていた。容疑者は7畳ほどの母と妹の部屋に立てこもっていた。同日午後1時25分ごろ、容疑者は立てこもっていた部屋のドアを開け「降参します」などと言って逮捕に応じたという。その際、包丁2本を所持していて、押収された。母と妹にけがはなく、拘束もされていなかった。

 容疑者は室内に灯油とみられるものをまいていて、同日午前9時20分ごろには県警が同市消防局に「灯油を部屋にまく立てこもり事件が発生」と連絡。少なくとも消防隊6隊と救急隊2隊、消防車6台が現場に出動した。

 県警は本部長以下100人態勢で対応に当たり、アパートの住民を避難させた。現場は東武野田線馬込沢駅から南に約1キロ。住宅や畑が点在している。

◆一部小学校で集団下校

 立てこもり事件を受け、船橋市教委は近隣の8小中学校に下校時に注意を求めるよう連絡。各校は下校に備え、職員による見守りや保護者への見守り依頼メールの送信を検討するなど対応に追われた。下校時までに容疑者は逮捕されたが、一部の小学校は集団下校を行った。

 現場に隣接する同市運動公園では、園内の広場で午前中に予定されていた幼稚園2園の遠足が中止に。陸上競技場も個人数人が利用をしていたが、利用が一時停止になった。

◆近隣住民、緊迫の7時間 確保「ほっとした」 「トラブル聞かず」

 容疑者は自分の家族を人質に朝から立てこもりを続けた。現場周辺には警察や消防、報道機関が集まり、身柄確保と人質の無事が確認されるまでの約7時間、緊迫した物々しい雰囲気に包まれた。

 20日午後1時25分ごろ、警察は容 ・・・

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