【ふつうの家族】(159) 辻堂ゆめ・作 伊藤健介・画

 冴子(さえこ)は腕組みをして、港に泊まっている白い漁船を見やりながら、両親の顔を思い浮かべた。
 
 中学校で国語の先生をしている父と、専業主婦の母。冴子には八つ歳の ・・・

【残り 732文字、写真 1 枚】



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