【ふつうの家族】(121) 辻堂ゆめ・作 伊藤健介・画

 目の前の暗がりに、幽霊のような青白い顔がぼうっと浮かび上がる。海(かい)はスマートフォンを取り落としそうになりながら、小さく叫び声を上げて仰(の)け反った。
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【残り 753文字】



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