特異な外観「ハッポウ造」 早春の民家 絵・文 道塚元嘉 【民家の四季】

 寒さはまだ厳しくすべてに冬の気色が漂う中でも、木々のこずえは芽吹きなまめく。黒ずんだかやぶき屋根のたたずまいも、移ろう光の中に、見る位置によって驚くほど白障子に映えて匂い立つ。そんな民家も明るくなって、春めく感じを抱かせる早春の気配はやっぱり好きである。

 日本の原風景と言われるかやぶき屋根は、原始時代から広く ・・・

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