2025年2月2日 05:00 | 有料記事

フキ花期=2024年3月7日、市川市万葉植物園(大野透氏撮影)

フキノトウ=2017年3月18日、市川市(大野透氏撮影)
フキノトウは植物学的には大変興味深く面白い。
湯浅浩史『植物ごよみ』(2004年、朝日新聞社)に「何といっても葉と花茎が別々に生育する点である。(中略)フキの生殖器官がフキノトウで、それには2種ある。実はフキはキク科では少数派の雌雄異株。雄花からなるフキノトウと雌花のフキノトウに分かれるのである。小さいフキノトウではわかりづらいが、花が開くとその違いがはっきりする。いずれも舌状花はなく小さい管状花だけで構成されているが、その色が異なる。雄花は黄白色で、雌花は白色。雄花には雌しべも存在するが結実しない。雌株は多くの花が雌しべだけで雄しべを欠き、中に少数の雄しべも備えた両性花が混じる。ただし花粉は作らない」とある。
フキノトウは食用にされるせいか短歌や俳句に多く詠まれる。
蕗の薹踏まれし石炭殻の路(みち)のへに蕗の葉若々しく萌えいでにけり 土屋文明 ・・・
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