【ふつうの家族】(44) 辻堂ゆめ・作 伊藤健介・画

 端的に言うと、混乱していたのだろう。
 
 クローゼットの扉に手をかけたまま立ち尽くすうちに、時間が過ぎていたようだった。父の大声で我(われ)に返り、同時に廊下に飛び出した兄 ・・・

【残り 776文字、写真 1 枚】



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