【ふつうの家族】(20) 辻堂ゆめ・作 伊藤健介・画

 中から返答はなかった。もしや音もなく床に倒れてしまったんじゃ、と父と目配せをして脱衣所に踏み込むタイミングを窺(うかが)っていると、茶色い引き戸がひとりでに開き始めた。十 ・・・

【残り 770文字、写真 1 枚】



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