新春詠 2025年 読者文芸

 千葉日報「読者文芸」欄の選者と2023年の全投稿者から選ばれた最優秀賞受賞者による新春をことほぐ俳句、短歌、川柳、詩を特集する。

【日報俳壇】

◆選者 増成 栗人さん

去年今年

生涯を下戸で通して去年今年
一文字の隷書で飾る初暦
弓袋抱へし背なにある淑気
面脱ぎし獅子舞がゆく切通し
桟橋に舟びつしりと浦の春
親しきがゆえに短き御慶かな
廻りゐる独楽に微動もなかりけり
若菜摘む野がひつそりと雨の中
卒寿とは吉書に太き筆選ぶ
後ろ手にドア閉めて年迎へけり

 ますなり・くりと 1933年大阪府生まれ。俳人協会顧問、同千葉県支 ・・・

【残り 2418文字】



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