<いすみ鉄道脱線事故> 地域社会に大きな衝撃 運行再開は大幅ずれ込む いすみ 【回顧2024 取材メモから】

脱線したいすみ鉄道の車両周辺で事故の対応に当たる警察官ら=10月、いすみ市
脱線したいすみ鉄道の車両周辺で事故の対応に当たる警察官ら=10月、いすみ市

 脱線事故から2カ月余りが経過した現在も全線運休が続いているいすみ鉄道。いすみ市の苅谷踏切付近で10月4日午前8時10分ごろ発生し、運転士1人を含め、幸いにもけが人はなかったが、通学する県立大多喜高校の生徒ら104人が乗っていた走行中の列車による事故は、地域に大きな衝撃をもたらした。

 「あの日」の朝、いすみ市役所の駐車場で偶然にも防災無線を聞いた。「いすみ鉄道が運転見合わせ?」。何ごとかと思い、すぐに市役所へ問い合わせる。担当者も詳細は分からないとのことだが「脱線」のワードが飛び込んできた。

 「大変なことが起こった」と確信し、同鉄道に電話をかける。受話器の向こうで社員が明らかに混乱していた。1分ほどの短いやりとりだったが「脱線」の事実確認と「乗客の大半が高校生」との情報をつかみ、現場へ直行した。

 急停止した列車からはしごを使って降り、現場から代行バスで登校した同校生徒ら。突然の事態にも ・・・

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