2024年12月10日 05:00 | 有料記事

熊手を客に渡す前に習わしの手締めをする商店の人たち=栄町

縁起物の華やかな熊手が多く並びにぎわった安食の酉の市=栄町
栄町の大鷲神社周辺で、出世開運や商売繁盛など新年の繁栄を願う縁起物の熊手が並ぶ「安食の酉(とり)の市」があった。年の瀬に正月準備を整え、良い年を迎えようとする人が町内外から訪れてにぎわった。11日まで原則午前9時~午後4時に開かれる。
安食の酉の市は江戸時代末期には行われていたとされ、「福をかき込む」の言葉になぞらえた熊手を装飾した物が並んだという。現在は2商店が出店し、縁起物のおかめや鶴、小判などを装飾した華やかな大小の種類豊富な熊手が屋台に飾られた。
創業約100年になる佐々木商店の大おかみ、俊子さん(79)は「家族で1年かけて一つ一つ手作りした。お客さんが良い商売ができるようにと思いを込めている」と話した。同店は大みそかから節分にかけて成田市の成田山新勝寺でも出店するという。
客は店の人が行う手締めの輪に入って熊手を受け取った。柏市から訪れた建築業の柴山瑠奈さん(39)は「来年も仕事が継続でき、家族が健康に過ごせたら」と願った。