2024年9月11日 05:00 | 有料記事

被災した境内を案内する露崎さん

被災した当時の鶴峯八幡宮境内=2019年9月、市原市(鶴峯八幡宮提供)
小湊鉄道の光風台駅から西に約800メートルほどの市原市中高根地区にある「鶴峯八幡宮」。房総半島台風(台風15号)の強風と倒木で本殿や拝殿に被害を受け、今も再建途中だ。5年前、禰宜(ねぎ)の露崎忠正さん(34)は鎌倉時代の建治3(1277)年に創建された神社の閉鎖も考えたが、地域住民らの協力を得ながら、建て直しへ奔走している。
境内に生い茂っていた樹齢300~400年の大杉30本の大半が、強風により根元から倒れ、江戸末期に建設された本殿はねじれるように傾いた状態だった。本殿につながる拝殿も窓ガラスが割れ内部の畳は水浸し。境内の末社も倒木の被害を受けた。荒れ果てた姿を目の当たりにした露崎さんは「神社をたたまなくてはいけないと思った」と、当時を振り返った。
◆全面建て替えへ
絶望的な状況だったが、境内の片付けには氏子の有志らが力を貸してくれた。他の神社の関係者からも支援を ・・・
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