難攻不落の天然要衝 丘陵に囲まれた歴史ロマン 万木城跡公園(いすみ) 【ふさの国探宝】

 いすみ市・旧夷隅町地区。のどかな里山の集落に車を走らせると、数分で“天守閣”が山頂に浮かび上がる。「えっ! お城?」。思いがけず出合った不思議な光景に驚き、自然と笑顔になる。どうやって行くのだろうか-。目の前の景色に導かれるようにして山の上にある城へ。現在は公園として整備された絶景スポットは、のちに関ケ原の戦いで勝ち、天下人となった家康に仕えた徳川四天王の一人、本多忠勝が入城したことも。天然の要衝を利用した堅固な城郭の跡地は、千葉の歴史を感じられる場所だった。 

 青々とした山並みの頂に浮かぶ天空の城。「万木城跡公園」は昭和の初め、中世の城郭だった跡地を生かし、旧国吉町(現いすみ市)の住民らの寄付などで城山公園として造成された。現在の天守閣を模した展望台を構えたのは、さらに約60年の時を経た平成の時代。かつての山城からは、風光明媚(めいび)な夷隅平野を眼下に見て、遠くには太平洋や富士山を望める。緑豊かな丘陵と蛇行する河川に囲まれた万喜城にまつわる歴史をひもとき、ロマンに迫る。

 戦国武将の上総土岐氏の居城として知られる万喜城。標高65~85メートルの小高い丘の上に立ち、ヘアピ ・・・

【残り 1435文字、写真 1 枚】



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