素材と製法こだわり 調味料にトリュフ塩人気 とんかつ店「甲子屋」(流山市) 【房総老舗巡り 千葉県誕生150周年】(7)

とんかつ店として「甲子屋」を再出発させた4代目店長の鈴木考治さんと妻の玉江さん=流山市
とんかつ店として「甲子屋」を再出発させた4代目店長の鈴木考治さんと妻の玉江さん=流山市
流山街道沿いの現在地に移転当初の店舗(1963年撮影、甲子屋提供)
流山街道沿いの現在地に移転当初の店舗(1963年撮影、甲子屋提供)

 江戸川の舟運で江戸時代から栄えた流山市の流山本町地区には当時の蔵や店が残り、今もその栄華をしのばせる。「甲子(きのえね)屋」は明治23(1890)年の創業時は江戸川沿いに立地し、船乗りたちに川魚の料理などを提供した。流山街道沿いの現在地に移転後の1975年、都内で修行した4代目店長の鈴木考治さん(72)が「本物のとんかつを流山で提供したい」との思いから、とんかつ店ののれんを掲げた。

 甲子屋の屋号を受け継いだ考治さんは当然のように料理の道を志し、20歳で都内の和食料理店に弟子入り。寮近くのとんかつ屋で偶然食べた味のとりこになり、とんかつに料理人人生を懸けると決め、修業先をその店に変えた。

 修行を終え、店を継いでから守り続けているのが ・・・

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