子どもの笑顔今も “ばっちゃん”見守る駄菓子屋 「森川屋商店」(茂原市) 【房総老舗巡り 千葉県誕生150周年】(5)

大正4年創業の森川屋商店=茂原市
大正4年創業の森川屋商店=茂原市
ずらりと並ぶ駄菓子からお気に入りを選び、かごに入れる子どもたち
ずらりと並ぶ駄菓子からお気に入りを選び、かごに入れる子どもたち

 「ばっちゃん。これうまいよ」。小学生3人組が人気のカップ麺を店先ですすり、元気な声を路地裏に響かせる。近くの保育園児も母親と一緒にガラガラと戸を開けやってきた。“ばっちゃん”と呼ばれる店主の鎗田美晴さん(74)は「お帰りなさい」と迎え入れ、買い物かごを渡した。

 茂原市茂原の森川屋商店は、昔ながらの雰囲気が残る駄菓子屋。店内には懐かしい菓子やおもちゃがずらりと並び、お気に入りをかごに入れる子どもたちの笑顔は、令和の今も変わらない。

 1915(大正4)年創業の同店。昭和10年ごろ、店名にもなった森川町から数百メートル離れた現在地に移転した。当時からある木造の建物は今も現役で、かやぶき屋根にトタンをかぶせた趣あるたたずまい。土間も特徴的で、瓶ジュースのふたを敷き詰めて模様にしている。

 もともと ・・・

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